外壁研究所

外見上では何も問題はなさそうでも、新築から30~40年以上経っていれば、外壁の張り 替えのタイミングです。目に見えた劣化が無くても、内部の劣化が進んでいる可能性が 高く、さらに住宅の寿命を縮めることになります。

では、そもそもサイディングとはなんでしょうか?

“サイディングの張り替え”とはサイディング外壁の補修方法の一つ。文字通り、サイディ ングを張り替える工事のことです。

「業者にサイディングの張り替えを勧められたが、我が家のサイディングは、本当に張り 替えが必要なのか?」といった疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。

サイディングの補修方法には「部分補修」「塗装」「重ね張り」などもありますが、こうした 補修方法では補修しきれない時に選択をするのが「張り替え」です。具体的にどういった 場合に張り替えが必要となるのかについて詳しくは、本章で説明してまいります。

まず、初めにお話しした「サイディングの張り替え」とは? サイディングの張り替えとは、サイディング外壁の補修方法の一つ。サイディングを張り 替える工事のことです。部分補修・塗装・重ね張りなどの補修方法では補修しきれないと きに、張り替えをすることになります。

ちなみに、サイディングとは外壁材の種類の一つです。

 

<補修以外にも!サイディングを張り替えることで“できること>

サイディングを張り替えることで、サイディング外壁の補修以外にもできることがありま

す。

●下地や断熱材などの補修 既存のサイディングを取り外した後、サイディングの下にある下地や断熱材などの補修 をすることができます。下地や断熱材の補修ができるのは、張り替えをした場合のみで す(部分補修・塗装・重ね張りでは、下地部分を補修することはできません)。そのため、 外壁だけでなく下地や断熱材にまで劣化が進行していて補修が必要な場合は、張り替 えを選択することになります(詳細は2章を参照)。

●耐震補強&断熱材の施工 張り替えをすると下地や断熱材などの補修とあわせて、柱や梁(はり)の補強、構造用合 板の施工などの耐震性を高める補強工事をすることも可能です。また、断熱材を新たに 施工することもできます。

●色も柄も、全く異なる外壁に一新する

サイディングの張り替えでは、新たにサイディングを施工するため、改めてサイディング の色や柄を選べます。

これまでと異なる色や柄のサイディングに張り替えれば、外壁のイメージを一新すること ができます(同じ or 似た色や柄のサイディングで張り替えれば、これまでのイメージは そのまま外壁をキレイにすることができます)。

1. サイディング張り替えの必要性、タイミング

サイディング外壁の張り替えは現在のお家の状態によって必要です。 サイディングの素地は傷みの状態が進むと補修や塗装で「直す」事が出来なくなってし

まうからです。
どういう状態が直せない傷みなのか、具体例をご紹介します。 症状によっては雨漏りの原因にも直結します。 後々の補修費が高額になる為、雨漏りをする前に早めにサイディングの張り替えを行っ て下さい。 雨漏りは外壁、内部の構造材、断熱材、内装部分全てを通り抜けて水が入ってきている 状況です。

基本的にお家の内部の構造体は水に濡れる事を想定して作られていません。

雨漏りを放っておくと木造の場合壁内の傷みは日が当たらない為目に見えないところで どんどん進んでいきます。

(木は乾燥していないと本来の強度を発揮する事が出来ません!) 補修で痛い出費にならないためにも、まずは症状をチェックしてみましょう。

1-1 こうなったら張り替え必須!3つの症状

 

1クラック(ひび割れ)

サイディングにクラック(ひび割れ)が入っている状態の時、割れた個所が剥離している、 一箇所だけでなく何箇所も同じ様な症状が出ている場合、張り替えが必要です。

重要なのは、壊れた場所を元に戻そうと考えた時に「元通り」か「限りなく元通りに近い 状態」に出来るか、出来ないかです。

補修をする場合、工事用の接着剤でひび割れの箇所をくっつけます。

もちろん、完全に2つに割れてしまったものを1枚に戻すのは「出来ない」ですが、パーツ が無くなっていなければ限りなく元通りに近い状態には「出来ます」

綺麗にくっつけることが出来ない→また同じように剥離する可能性が高い という事です。これでは直しても同じ事の繰り返しで根本的な問題の解決にはなりませ

ん。 部分的な補修や塗装をするより張り替えた方が良い状態です。

2剥離、中性化(外壁の剥がれ)

サイディング自体が表面からボロボロと剥がれ落ちている状態になっている場合、張り 替えが必要です。

触るとパラパラと崩れる、壁材自体が押すと動く、水分を含んでふかふかする、触るとボ ロッと崩れる等の症状が出ている場合、最悪内部の下地にも傷みが広がっている可能 性があります。

剥がして内部の点検も行った方が良い状況です。

この場合、サイディング外壁の傷みが末期症状の為、見つけた場合早めに張り替えを 行って下さい。

3サイディング自体の反り

サイディングとサイディングのつなぎ目部分が浮き上がっている状態になっている場合、 張り替えが必要です。

1、2でも説明した通り、張り替えが必要かどうかは「元通り」か「限りなく元通りに近い 状態」に出来るかどうか、がポイントです。

簡単なチェック方法は、浮いている個所を手で押した時に、元々外壁が収まっていた場 所まで力を入れなくても戻せるかどうかです。

戻らない場合、サイディング自体が経年劣化により変形してしまっている為、補修を行っ ても現状の改善は期待できません。張り替えを行って下さい。

1-2 張り替えが不要な症状3例

傷みの症状が軽い場合、張り替えをせず、補修や塗装で直せる場合があります。

1亀裂が0.1mm以下の表面だけに入るひび

2亀裂が0.1mmを超えていても部分滑落する恐れが低いひび

3サイディング表面のみの軽微な剥がれ

 

<サイディングの張り替え費用の目安を知って検討を>

サイディングの張り替え工事全体にかかる費用は、約150万円~270万円が目安で す。

ちなみに、重ね張り工法(カバー工法)の工事費用の目安は約110万円~220万 円、外壁塗装による補修工事の相場費用は約10万円~180万円。 張り替え工事よりも安くメンテナンスができますが、どの方法でメンテナンスすべき かは外壁の内部の劣化具合なども見て判断する必要があります。

サイディングの耐用年数は20年以上。 20年が経過していなくても劣化のサインが見られる場合は、外壁リフォーム工事を 検討したほうが良いでしょう。

<張り替え時の注意点>

いざ張り替えをしよう!と決めた場合、最低限の注意点、知識を持った上で工事会 社を決めましょう。

気を付けて頂きたいのが、工事が出来る会社と正しい工事のやり方でやっている会 社では同じ工事内容でも全くの別物です。

未だに正しい知識を持たないで工事をしている会社も多いのが現状です。

より良い、納得出来る工事をする為にも以下具体例工事会社を選定する場合に確認 しましょう! 隙間を埋めるのはコーキングでしか処理が出来ない為、コーキングが切れたらそこから 雨水が入ります。

せっかく費用と時間をかけても張り替えてすぐにまた同じ場所の補修が必要になる、最 悪工事した個所から雨漏りする様では意味がありません。

12mm厚の外壁材を使用されている場合、全体張り替えか、カバー工法で工事を行うと 先々での不安も無く、見た目も綺麗に仕上がる為おススメです。

平成21(2009)年10月1日以前に建てられた家の場合、厚さが12mmのサイディングを使 用している可能性があります。

この日、JIS規格(日本工業規格)の改正により、外壁に使用される建材の最低厚さが12mm →14mmへと変更されました。

(出典:日本窯業外装材協会 窯業系サイディングのJIS規格)

張り替えが必要な場所を確認しましょう

部分張り替えの際、お家のどの部分が傷んでいるのか、工事前に確認が必要です。

張り替えを考えている個所が目立つ場所の場合、工事をする事で見映えが悪くなる場合 があります。

建ててから数年経っていると、今のお家に使われているサイディングと同じデザインの物 はほぼ存在しないからです。

流行りのデザイン、仕様は年々変わります。 建材の研究も進んでいる為内容もよりグレードアップした良いものに変わります。

家電製品等のパーツも同じで、部分的に修理して使いたいのに壊れた個所のパーツ自 体がもう製造されていない!なんてことありますよね。

同様に全く同じものを10年後に使用したい!と言っても物が無い場合がほとんどです。

また、仮に同じデザインや似たようなデザインのものがあったとしても、新品と何年も雨 風・紫外線にさらされていた外壁では、並べると若干の色褪せや、質感の違いが出てし まいます。

目立つ場所を部分張り替えする場合、そこだけデザインが全く違うものになってしまう可 能性が高い為、工事後の仕上がりの事も考えて慎重に選びましょう。

流行りのデザイン、仕様は年々変わります。

建材の研究も進んでいる為内容もよりグレードアップした良いものに変わります。

家電製品等のパーツも同じで、部分的に修理して使いたいのに壊れた個所のパーツ自 体がもう製造されていない!なんてことありますよね。

同様に全く同じものを10年後に使用したい!と言っても物が無い場合がほとんどです。

 

条件、立地別お勧めの張り替え方法5選

 

では、具体的にどの方法を選べばより良い工事が出来るのかご紹介します。 お家の立地は1件1件違う為、条件によって何が良いかも変わります。 具体的な立地条件もあげて説明していきますので是非、チェックしてみて下さい。 1張り替えを検討している場所が目立たない場所の場合 →部分張り替えがおススメです

他2種類の工事と比較して圧倒的にかかるコストが安く、デザインが違ってしまっても他 の人からの見た目を気にしなくても良いため、おすすめです。

コスト面を更に抑えたい!という方はご自分での張り替えもチャレンジしてみてください!

2  3階建て、狭小地、段差がある立地


→カバー工法がおススメです 3階建て以上の場合は足場をかける費用、施工費が高額になる為、一度手を入れたあ となるべく長く手を入れなくて済む様な、ランニングコストが安く済むこの工法がおすすめ です。 同じ理由ですが、狭小地や段差がある敷地(通常の一階部分が駐車場、階段を上がっ た先に玄関)等も資材を運ぶのに手間がかかる為、施工費が通常の工事より高くなりま す。

3海の近く、雪が降る地域


→カバー工法がおススメです 表面材の素材を選べば、窯業系サイディングより塩害、雪害に強い高耐久の外壁に出 来ます。 現状の外壁材の上に断熱材入りの新しい外壁材を張る為断熱性能も向上します。 風が強い地域や寒い地域の場合、より効果を発揮します。 外観も新築同様に変えられる為、新築の時に出来なかったデザインや素材を選んでみ るのもおススメです!

4線路、道路に面する立地

→カバー工法がおススメです

外壁が空気層を含んで2重になる為、防音効果もあります。

効果としては45デシベル(家庭用室外機の音)程度の防音効果が得られます。

線路沿いのお宅や、大きい通りに面しているお宅は特に効果を実感しやすい為おすす めです。

5家の構造材や、地震が心配

→全体張り替えがおススメです

外壁を剥がすついでに内部の状態のチェックも出来ます。 心配であれば合わせて耐震診断や耐震補強工事を行うとより安心できるはずです。 外壁の性能、重さも新しい物の方がより良く、より軽くなっています。 構造計算されている現状の柱や土台に負荷をかけない素材に張り替え出来る為安心で す。 見た目も新築同様の外観に変えられる為、見た目を変えたい方にもおすすめです。

まとめ

最後まで読み進めて頂きありがとうございます。

ご覧になっていかかでしたか?
ご自宅に合った張り替え方法は、見つかりましたか? 外壁を張り替える前に、まず現状のお家の状態を把握する事が大切です。 「このやり方しか出来ない」と思い込んでいたものが「このやり方も出来る」と、新しい発 見が出来ればコスト面、依頼する工事会社、工事の仕上がり含め、より納得したものに 出来ますよ!