“サイディングの張り替え”とはサイディング外壁の補修方法の一つ。文字通り、サイディ ングを張り替える工事のことです。
「業者にサイディングの張り替えを勧められたが、我が家のサイディングは、本当に張り 替えが必要なのか?」といった疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。
サイディングの補修方法には「部分補修」「塗装」「重ね張り」などもありますが、こうした 補修方法では補修しきれない時に選択をするのが「張り替え」です。その選択ひとつで家 の雰囲気が決まる!と言っても過言ではないサイディングボード。
そんなサイディングボードを選ぼうと調べてみたら、その種類の多さにびっくり!なんて 方、いらっしゃいませんか?
選択肢が多すぎて、どう選んでいいのかわからない、失敗したくないからこそ慎重に選び たい、そんな方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サイディングボードの主な商品や、迷った時の選び方、メーカーさんにつ いてお伝えしていきます。
サイディング外壁材の種類・特徴・価格
サイディングの主なメーカー/商品をご紹介する前に、まずはサイディングの素材(窯業・金属・ 樹脂・木質系)の大まかな違いについて、確認しておきましょう。
窯業系 4,000~5,000円/m² ・特に新築で主流
・デザイン豊富 ・コスパに優れている ・凍害に弱い傾向あり
金属系 3,000~9,000円/m²
・特にリフォームで人気
・軽量 ・断熱材と一体型の製品が多い ・凍害に強い
樹脂系 8,000~10,000円/m²
・北海道や東北など寒冷地に多い ・軽量
・塩害や凍害に強い ・対応できる業者が限られる
木質系 6,000~10,000円/m² ・木ならではの質感が魅力
・再塗装などメンテナンスは多め ・対応できる業者が限られる
価格で選ぶ
サイディングボードを選ぶ理由として、モルタルやタイルの外壁にするよりも安価だから、 というのも理由のひとつにある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サイディングボードを選ぶうえで外せない大きなメリットがその価格ですが、安価で設置 できるからこそ「なるべく安く抑えたい」という方もいれば「予算内でなるべくおしゃれな外 壁にしたい」という方もいらっしゃるはず。
サイディングボードの種類によっても値段の相場は変わってきますが、後の「メーカー徹 底比較」のところでメーカーさんごとの価格帯についてご紹介しますので、目安にしてみ てくださいね!
耐久性で選ぶ
サイディングボードの耐用年数やキズのつきにくさも、サイディングを選ぶうえでの大事 な要素です。
施工の際にはつい初期費用に目が行ってしまいがちですが、コストパフォーマンスやメン テナンスの回数などを考慮することで、長期的な出費を抑えることができます。
メーカーさんごとに保証がついているところもありますので、補償の手厚いメーカーのサ イディングを選べばさらにメンテナンスコストを抑えることができます。
デザインで選ぶ
たくさんの色や質感、デザインのあるサイディングボード。
凝ったデザイン、好きな色や質感・デザインのサイディングボードを選ぶのも、夢のマイ ホームの実現に力を貸してくれるかもしれません。
凝ったデザインがいい、シンプルなデザインがいい、いろんな希望を叶えることができま すよ。
メンテナンス性で選ぶ 放置していても汚れが落ちるような機能を持つサイディングボードもあります。
汚れが目立ってくるのを避けたい方、普段のお手入れを楽に済ませたい方はこういった メンテナンス性で選ぶのもおすすめです。
汚れを自然と落としてくれるサイディングボードも、後ほどご紹介します!
サイディングのメンテナンス法や費用については、以下の記事でも詳しく解説していま す。ぜひご一読ください。
サイディングを取り扱うメーカー一覧
サイディングボード自身の性質での選び方をご紹介してきました。
次は、サイディングボードを取り扱うメーカーさんを8社、それぞれの特徴と共にご紹介していきます。
それぞれのメーカーさんが得意としているサイディングボードの種類のご紹介しますの で、サイディングボードの種類を決めている方も、人気のメーカーさんが知りたい方、メー カーさんへの信頼でサイディングボードを選びたい方もぜひ参考にしてください!
・ニチハ株式会社 1社目は、「ニチハ株式会社」さんです。
「ニチハ株式会社」は、サイディングの有名メーカーで、窯業系サイディングでトップシェ アを誇るメーカーさんです。
1956年設立で、現在、窯業系サイディングのシェアナンバーワンの老舗メーカーさんで す。
雨などで汚れを落とす「マイクロガード機能」が特徴的で、お手入れの手軽さが魅力のひ とつ。
「プレミアムシリーズ」は、「マイクロガード機能」だけでなく、「プラチナコート30」という超 高耐候塗料も使用。
こういった特殊技術により、窯業系サイディングでは初めて30年保証を実現した商品と なっています。
価格帯は5,700〜21,000円/m²です。
他にも、継ぎ目が目立ちにくい「フュージェ」シリーズや、色やデザインが豊富な「モエン エクセラード」シリーズ、柄の深堀が可能な「モエンサイディングS」シリーズ、鏡面・光沢 を出さない表面を実現した「COOL」シリーズ、厚みがあり硬質な素材の「風光」シリーズ があります。
・アイジー工業株式会社
2社目は、「アイジー工業株式会社」さん。 「アイジー工業株式会社」は、サイディングの有名メーカーで、低価格の金属系サイディ
ングを販売するメーカーさんです。
1970年設立で、現在、金属系サイディングのシェアナンバーワンの老舗メーカーさんで す。
アイジー工業株式会社は、金属系サイディングでシェア1位のメーカーということで、国内 で最もメジャーな外壁材である窯業系サイディングは販売しておらず、販売しているのは 「アイジーサイディング」という金属系サイディングのみです。
この「アイジーサイディング」は、ガルバリウム鋼板の外壁材で、錆びにくく気候の変化に も強い特徴があります。
変色や赤サビ、穴に対して10年の保証が付きますので、メンテナンス面でも安心ですね。
3,900〜6,000円/m²というお手頃な価格帯も魅力です。
・ケイミュー株式会社
3社目は、「ケイミュー株式会社」さんです。
「ケイミュー株式会社」は屋根材や外壁材を扱っているメーカーで、中でも窯業系や金属 系サイディングが主体となっています。2003年設立で、現在、窯業系サイディングで2位 のシェアを誇り金属系サイディングでも5本の指に入る実力のあるメーカーさんです。
ケイミュー株式会社は、ケイミュー株式会社のサイディングの代表例である「レジェール」 は軽量な素材で、太陽光で汚れを落とす機能がついているうえ、色あせしにくいのが魅 力となっています。
価格帯は4,700〜8,300円/m²です。
他のシリーズには、太陽光で汚れを落とし、色あせしにくい「光セラ」シリーズや、雨で汚 れを浮き上がらせて流す「親水コート」シリーズ、「親水コート」シリーズに色あせしにくい 特徴をプラスした「親水パワーコート」シリーズがあります。
・旭トステム外装株式会社
4社目は、「旭トステム外装株式会社」さん。
住宅の外装を扱う大手メーカーで、窯業系サイディングだけでなく金属系・樹脂系などさ まざまなサイディングを扱っています。
建材の分野で有名な、「AGC」さんと「LIXIL」さんの外装事業を統合して生まれたのが、 「旭トステム外装株式会社」です。
旭トステム外装株式会社が販売しているのは「金属Danサイディング」という金属系サイ ディングです。
ガルバリウム鋼板だからこそ実現できる深い陰影が最大の魅力ですが、デザイン面での 魅力はもちろんのこと、セルフクリーニング機能や優れた断熱性など、機能面もばっち り!
塗膜保証が10〜15年あり、価格帯は5,000〜7,000円/m²となっています。
旭トステム外壁株式会社では、デザインによって3種類のシリーズに分かれています。
石積み柄や木目調など、デザインが豊富な「スチール深絞り」シリーズ、ストライプ柄が 主体の「スチール ニュースタンダード」 シリーズ、無地などシンプルなデザインが主体 の「スチール スタンダード」の3種類です。
・東レACE株式会社 5社目は、「東レACE株式会社」さんです。
「東レACE株式会社」では、東レの技術を生かした住宅用の外装材やビル用内外装材、 土木用建材などを製造販売しているメーカーで、窯業系サイディングを取り扱っていま す。
東レACE株式会社は、デザイン性にこだわった外壁材を作っているメーカーさんで、代 表例は「完璧(KANPEKI)」シリーズです。
「完璧(KANPEKI)」シリーズは、ラップサイディング工法によってサイディング同士の境 界線が目立たないようになっています。
・高広木材株式会社
6社目は、「高広木材株式会社」さんです。 「高広木材株式会社」は、ウエスタンレッドシーダを扱うメーカーで、木質系サイディング
ボードを販売しています。
ウエスタンレッドシーダとは、ヒノキ科の木で、ヒノキ科特有の芳香をもち、肌ざわりが柔 らかく温かみのある木のこと。
日本では、「カナダスギ」や「ベイスギ」と呼ばれ、親しまれてきました。
日本人が親しみやすく、落ち着くような気持ちになれる木材系サイディングのメーカーさ んです。
・株式会社中山源太郎商店
7社目は、「株式会社中山源太郎商店」さん。 「株式会社中山源太郎商店」は、1914年の創業以来長きにわたって木材を扱っており、
高耐久性木材である「イペ」や「セランガンバツ」などを扱う企業です。 耐久性が高く、かつ木材特有の温かみのある木質系サイディングボードが豊富です。
・ゼオン化成株式会社
8社目は、「ゼオン化成株式会社」さんです。 「ゼオン化成株式会社」は、1981年創業で、主に樹脂系サイディングを取り扱う企業で す。
樹脂系サイディングでは、縦目地が入らず、スッキリした外観になります。
レンガタイルや、他の素材との組み合せることもでき、他では見られない独自のデザイン を叶えることも。
デザインにこだわりたい方は必見のメーカーさんです。
<選び方別!おすすめサイディングメーカーと商品>
ここまで、サイディングボードの選び方や、メーカーさんの特徴、商品の紹介やメーカーさ んの比較をお伝えしてきました。
こんな選び方をしたい!と決めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 次は、選び方別におすすめのサイディングメーカーさんをご紹介します。
窯業系サイディングにしたい
窯業系サイディングにしたい方におすすめなのが、ニチハ株式会社の「プレミアムシリー ズ」。
窯業系サイディングならではのデザインの豊富さ、また高耐久で保証も長いのが魅力で す。
金属系サイディングにしたい
金属系サイディングにしたい方におすすめなのが、アイジー工業株式会社の「アイジー サイディング」。
リーズナブルかつ機能性も妥協したくない、という方には金属系サイディングがおすすめ です。
シンプルなデザインにしたい
シンプルなデザインにしたい方におすすめなのが、旭トステム外装の「スチール スタン ダード」シリーズ。
デザインは3種類と少ないものの、セルフクリーニング機能や断熱性など、機能面で非常 に優れた金属系サイディングです。
凝ったデザインがほしい
凝ったデザインがほしい方におすすめなのが、東レACE株式会社の「完璧(KANPEKI )」シリーズ。
サイディング同士の境界線が目立たず、選んだデザインの邪魔をしません。
メンテナンス性を重視したい
メンテナンス性に優れたサイディングが気になる方におすすめなのが、ケイミュー株式会 社の「光セラ」シリーズ。
太陽光で汚れを落としてくれ、また、色あせしにくいので、普段のお手入れが格段に手軽 になります。
サイディングのメーカー選びに迷ったときは…… いろいろとお伝えしてきましたが、家というのは一生もののお買い物。
簡単に決められない!という方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、メーカー選びに迷ってしまったときにどうしたらいいのかをお伝えします。
ヒントになるようなことがあるかもしれません。
実績のあるリフォーム会社に相談する
迷ってしまったらまず、実績のあるリフォーム会社に相談するのもおすすめです。
ただし、ポイントは「実績のある」業者を選ぶこと。施工実績が少ない業者だと同じ商品 ばかり使用していて、他のメーカーに詳しくない可能性があります。
施工実績が多く、さまざまな商品の長所や短所を幅広く知っているリフォーム会社に相 談するのがいいでしょう。
有名メーカーの人気商品を選ぶ
有名メーカーの人気商品を選ぶというのも、賢い手段です。人気商品であれば、商品そ のものの実績もさることながら、施工経験のある業者も多いため、失敗のリスクが少なく て済みます。
後悔のない外壁選びをしたいという慎重派な方は、メジャーな商品を選ぶとよいでしょ う。
窯業系サイディングならニチハ株式会社の商品、金属系サイディングならアイジー工業 株式会社の商品が有名ですよ。
目的別で探してみる
それぞれの商品によってメリット・デメリットがありますので、あなたが一番重視したいポ イントを決めて、その目的別で探してみるのもいいでしょう。
価格が安いもの、デザインが優れているもの、耐用年数が長いものなど、譲れないポイ ントを決めて探しましょう。
まとめ・・・
理想の家にするために、価格や耐久性、デザイン、メンテナンス性など、さまざまな種類 のあるサイディングボード。
その種類の多さや、メーカーの多さから、選ぶ基準もたくさんあり、十人十色になってい ます。
つくりたい、住みたい家に合わせてサイディングボードを選びましょう。
じっくり時間をかけ、調べたり、リフォーム会社に相談したりして、後悔の残らない選択を!