外壁研究所

「サイディングボード」とは何かご存知でしょうか?そもそも聞いたことないという方も、聞 いたことはあるけれど詳しくは知らないという方もいらっしゃると思います。

リフォームや外壁塗装のことなどを調べていると、ちょくちょく目にする「サイディングボー ド」という言葉。皆さんはこのサイディングボートとは一体どんなものなのか知っています か?

サイディングボードとは、近年の住宅の外壁材として採用されることが多くなった素材で す。この記事では、サイディングボードにはどのような種類があり、どれを選べばよいの かということや、補修はどのように行うべきなのかなど、サイディングボードをご自宅の外 壁材に採用するところから補修までの知識をお伝えしています。

これから家を建てるという方や外壁のリフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてくださ い。

サイディングボードとは?

まず初めに、サイディングボードとは? 工場で板状に成形したサイディングを「サイディングボード」と呼びます。

あらかじめ施工現場で採寸したデータを元に、加工工場でプレカット(切断加工)し、その まま現場に搬入します。

施工前に微調整することはありますが、ダクト穴や開口部まで加工されたサイディングが 届くので、施工は容易です。

ひと昔前は、厚さ12mmの製品を釘留めで施工するのが主流でしたが、今は15~ 16mmが標準仕様となり、耐用年数や耐震性がアップしました。

専用の「サイディング留付金具」を下地材に打ち込み、防水性と気密性を保つために、 ジョイント(継ぎ目)部分に伸縮性のあるシーリング材を充填します。

仕上げに塗装を施し、サイディングボードの外壁が仕上がります。

 

外壁タイルや塗り壁と比べてどう?サイディングボードのメリット

モルタルの場合は、現場で水・砂・セメントを調合して網目状の金属下地に塗っていく必 要があり、レンガは職人が1つずつ積み上げるなど、どちらも手間が掛かります。 一方、サイディングボードはすでに製品化されているので、ほかの外壁材と比べて施工 に手間がかかりません。 むしろ、現場で施工する技術よりも、建材そのものの性能が仕上がりに大きく影響しま す。

社団法人日本サッシ協会「2020年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要(2020年5 月1日)」によると、使われている外壁材の割合は「サイディング合計」で90.6%、過去に 主流だったモルタルは5.8%と、サイディングへの移行は明らかです。

サイディングはシェア率が高いため、必然的にデザインや素材など商品のバリエーション が増える傾向があります。 さらに、施工する業者も競合するため、施工コストも下がります。現在は雨によって汚れ が流れ落ちる、セルフクリーニング機能付きの商品が一般的です。モルタルの場合は、 現場で水・砂・セメントを調合して網目状の金属下地に塗っていく必要があり、レンガは 職人が1つずつ積み上げるなど、どちらも手間が掛かります。

一方、サイディングボードはすでに製品化されているので、ほかの外壁材と比べて施工 に手間がかかりません。 むしろ、現場で施工する技術よりも、建材そのものの性能が仕上がりに大きく影響しま す。 社団法人日本サッシ協会「2020年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要(2020年5 月1日)」によると、使われている外壁材の割合は「サイディング合計」で90.6%、過去に 主流だったモルタルは5.8%と、サイディングへの移行は明らかです。

サイディングはシェア率が高いため、必然的にデザインや素材など商品のバリエーション が増える傾向があります。 さらに、施工する業者も競合するため、施工コストも下がります。現在は雨によって汚れ が流れ落ちる、セルフクリーニング機能付きの商品が一般的です。

 

[メリット]

・施工しやすいため工期が短い

・コストが安い

・耐火性に優れている

・耐久性に優れている

・品質が安定している

・デザインのバリエーションが多い

 

劣化が早い?サイディングボードのデメリット

 

サイディングに限った話ではありませんが、外壁は経年劣化により色褪せ、徐々に防水 効果を保てなくなります。

表面の塗装が剥げたまま長期間放置すると、躯体にまで劣化が及ぶ可能性もあるの で、耐用年数に応じて適切なメンテナンスが必要です。

もう1つのデメリットとして、サイディングのデザインは年々向上していますが、外壁タイル や塗り壁で仕上げた外観に比べると、やや重厚感に欠けることもあります。

デザイン重視で予算に余裕があるなら、ほかの外壁材を検討してみましょう。

[デメリット]

・熱を吸収しやすい

・シーリングが劣化しやすい

・オリジナル感を出しにくい

・劣化すると補修がし辛い場合がある

<サイディングボードの種類>

サイディングは、大まかに「窒業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」の4種類に分けられま す。
ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。

・窯業系サイディングボード

セメントに繊維質原料を混ぜて高熱処理を施した、軽量かつ強度のある外壁材です。 日本窯業外装材協会「戸建住宅市場における外壁材素材別シェア(平成30年調査/令和 元年発行)」によると、戸建て住宅で使われているサイディングのうち、78.3%という高い シェア率を誇ります。

色や質感など多種多様で、レンガ・タイル・石積み調などさまざまなデザインから選べま す。
最近では、汚れにくいコーティングを施した製品もリリースされています。 1m²あたり3,000~4,000円程度と比較的リーズナブルですが、デザインや性能によって価 格は上下します。

平均寿命 7年~13年

[特徴]


・耐震性に優れている

・防音性に優れている

・耐火性に優れている

・デザインや色の種類が豊富

・金属系サイディングボード

成形・エンボス加工を施した金属板と、裏打材で構成された外壁材です。 近年では、金属系サイディングの中でも、アルミや亜鉛を鉄に被覆させたガルバリウム・ アルミニウム・ステンレス鋼板がメジャーになりつつあります。

窒業系サイディングに比べて重さは3分の1程度、約5倍の断熱性能を持ち、メンテナンス サイクルも長めです。 昔ながらのトタンをイメージしがちですが、タイルやレンガ調デザインも存在し、金属らし いシャープな印象がモダンテイストの住宅に多く選ばれています。 高性能ゆえ、価格帯はやや高額な傾向があります。金属の素材にもよりますが、1m²あ たり4,000~5,000円ほどかかります。

平均寿命 10年~15年 [特徴] ・丈夫で耐久性に優れている ・断熱性に優れている ・軽量で地震の揺れに強い ・防水性に優れている

・木質系サイディングボード

天然木に塗装を施し不燃処理したサイディングで、木材の呼吸を妨げないよう炭化処理 してあります。 1m²あたり6,000円~と、窒業系に比して高価なうえ、水に弱いためメンテナンスサイクル も短いなど、手間の掛かる外壁材です。

しかし、本物の木を使用しているため環境に優しく、木目や色のバラつきが温かみのあ る外観に仕上げてくれます。 樹種も豊富なので、木材ならではの風合いを出したい方におすすめです。 明るめならナチュラルに、濃いめならモダンなテイストに仕上がるでしょう。 平均寿命 10年~20年

[特徴]
・木ならではの温かみがある ・環境に優しい
・断熱性に優れている ・防火地域では採用不可の可能性がある ・メンテナンスをしっかり行う必要がある

・樹脂系サイディングボード

北米ではシェア率50%を超える、塩化ビニル樹脂製のサイディングボードです。 日本では、1996年から販売開始されました。 弾力性と防水機能が高いため、風雨が強く凍害のある寒冷地を中心に多く採用されてい ます。

素材が丈夫で、シーリング材を使用せずに施工するため、メンテナンスサイクルの長さ はサイディングの中でもトップです。 重さは窒業系サイディングの約10分の1ですが、音を通しやすい素材なので、防音を優 先したい方には向きません。 また、1m²あたり9,000円前後とかなり高額なうえ、日本では施工実績がまだまだ少ないこ とも難点です。

平均寿命 10年前後

[特徴]


・耐久性に優れている

・耐候性に優れている

・シーリング材を使用しないため、メンテナンスフリーになる可能性ある

・デザインや色の種類は豊富ではない

 

<サイディングボード選びのポイント>

 

今後サイディングボードを採用しようとしている人に向けて、サイディングボード選びのポ イントをご紹介させていただきます。

・予算や耐用年数をしっかり把握しておく サイディングボードは、使われている材質ごとに予算や耐用年数も大きくことなります。 最近では材質の種類が増えたことで特に幅が広がったので、予算だけでなく耐用年数も しっかり把握しておきましょう。

・デザインなど、こだわりたい部分を明確にしておく サイディングボードは非常に種類が豊富です。 業者さんに相談する前に、ある程度ご自身がこだわりたい部分を明確にしておくことで、 サイディングボード選びもスムーズになるでしょう。 ・保障・アフターケアなども忘れずにチェック 施工完了後にどんなアフターケアがあるのかも、重要なポイントです。何か不具合が発 生した時にどのような対応をしてもらえるのか、忘れずにチェックしておきましょう。

<サイディングボードのメンテナンス時期は?>

 

窯業系サイディングの寿命(耐用年数)は30〜40年ほどとされていますが、メンテナンス を怠るとそれよりもだいぶ早く劣化が進んでしまうこともあります。 下記のようなタイミングでサイディングのコンディションをチェックし、必要なメンテナンス を行うようにしましょう。

・施工から5~10年:シーリングの補修 外壁材自体は劣化していなくても、サイディングの隙間を埋めるシーリングが劣化すれ ば雨漏りや内部結露などの原因になり、サイディングを含めた外壁全体の劣化を早めま す。

サイディングの施工から5年後くらいを目安にシーリング材がひび割れたり、縮んだりして いないかチェックしてみましょう。 軽く劣化しているようならシーリングを増し打ちする、劣化が進んでいれば既存のシーリ ングを撤去して打ち替えるなどの方法でメンテナンスします。

・施工から10年:塗装メンテナンス 外壁塗装で人気のあるシリコン塗料であれば10年くらいで塗り替えが必要になります。

外壁塗装の劣化のスピードは塗料のグレードだけでなく日当たりや環境などにも左右さ れます。10年くらいを目安に、外壁に色褪せやチョーキングなどの劣化のサインがみら れないかチェックしてみましょう。劣化が進んでいるようなら早めに塗装しなおすのがお すすめです。

・施工から20年:外壁材の張り替え・カバー工法

メンテナンスを怠っていたり、地震や水害などの影響を受けたりした外壁は施工から20 年目くらいを目安に外壁材の劣化をチェックしてみましょう。特にひび割れや剥落がある 場合は要注意です。

外壁材全体にそのようなダメージが見られるなら、外壁材の張り替えか、上から新しい外 壁材を被せる「カバー工法」によるメンテナンスがおすすめです。 このようなメンテナンスリフォームは高額な工事になりますので、少しでもサイディングの 寿命を延ばせるよう、できるだけ定期的にチェック&メンテナンスをしておきましょう。

<サイディングの4つメンテナンス方法>

サイディングに劣化症状が出てしまった場合のメンテナンスは、劣化具合によって異なり

ますが、大きく分けて3パターンです。

・コーキング補修 コーキングの傷みが出ている時は、サイディングボードに水を染み込ませないためにも コーキング補修をしましょう。

補修には、打ち替え、または増し打ちという方法があり、既存のコーキングの状態によっ て使い分けます。

【打ち替え】 古いコーキングを撤去し、新しいものを打ち込む方法です。 費用相場:900~1,200円/m コーキングを新品に交換するようなイメージです。

【増し打ち】

古いコーキングの状態が良ければ、その上から新しいコーキングを追加する方法です。 費用相場:500~900円/m 既存のコーキング材を取り除かなくて済む分、費用が安くなります。

・外壁塗装
外壁塗装は、サイディング自体の防水性を復活させる工事です。 既存の塗膜が劣化している場合は、塗装工事を行うことで再び新築時のような状態にな り、家の保護に繋がります。 チョーキングやカビコケなどの、塗膜劣化による症状が出ていたなら外壁塗装をしましょ う。

・外壁(一部)張り替え

外壁の張り替えは、サイディングが寿命を迎えている場合に、既存のサイディングを取り 払って新たに張り替える工事です。

サイディングボード自体が新しくなりますので、費用は高くなりますが、その分長くお住ま いになれます。

また、傷みの酷い一部だけを差し替えるような張り替えも可能です。 費用が気になる方は一部差し替えもお勧めです。

但し、既存のサイディングが製造終了している製品だと、似た製品で代用するしかないた め、見た目が悪くなる可能性もあります。

まとめ・・・ 今回はサイディングボードについて詳しくまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

サイディングボードには繋ぎ目があり、コ―キングという処理を行う事でその繋ぎ目を埋 めています。コ―キング材にも7~10年程の寿命があり、お住まいの環境にもよって定期 的にコ―キングの打ち替えを行う必要があります。コ―キング処理も作業するための足

場をかける必要があり、サイディングボードの塗り替えも一緒に行う方がより経済的で しょう。

どちらも一緒に行う事で、外壁自体の耐久年数をより伸ばすことも可能です。

 

今後サイディングボードを採用しようと考えている方は、この記事を参考にしながら業者 さんと相談し、是非ご自身にあったサイディングボードを選んでみてください。 外壁選びはお家のことを考える上で非常に重要な要素の一つ。お家と長くつきあってい くために、しっかり考えておきたいですね。