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樹脂サイディングとは、プラスチックの一種である「塩化ビニル樹脂」を利用した、薄い板状の外壁素材のことです。 一部では「メンテナンスフリー」とも呼ばれるほど高耐久なサイディングでもあります。 また、シーリングを使わない施工が可能なため、他のサイディング材と比べてメンテナンスの手間が少ない特徴があります。 ただ、樹脂系サイディングは北米では人気の素材ですが、日本では施工できる会社がほとんどないため、シェア率が1%程度しかないと言われている外壁材です。
メリット
・メンテナンスの手間が少ない
・目地にシーリングが必要ない場合がある
・凍害や塩害に強い
樹脂サイディングは、他のサイディング素材に比べて耐久性が高く、メンテナンスがほとんどいりません。 窯業サイディングや金属サイディングは10年に1度は塗装が必要ですが、樹脂サイディングは材料の耐久性が高いために20〜30年は塗装をしなくても問題ない場合があります。
サイディングといえば、つなぎの部分に目地(くぼみ)があるものがほとんどです。 目地にはシーリングと呼ばれる補修材を入れるのですが、10年に1度は補修しなければ劣化してひび割れを起こすでしょう。 ただ、樹脂サイディングにかぎり目地にシーリングが不要な商品があり、樹脂系サイディングを選ぶメリットになります。
樹脂系サイディングは酸性雨などの影響を受けない耐候性に優れた外装材と言えるでしょう。 塩害(潮風)よる錆び、腐食が無く、建物躯体を長期に亘って保護することができます。 また凍害によるひび割れ、破損等が無いので、海浜地域だけではなく寒冷地域でも重宝する外壁材と言えるでしょう。
デメリット
・工事できる業者がほとんどいない
・デザイン性が低い
・工事費用が高くなりやすい
樹脂サイディングは塩化ビニル素材のため、温度によって素材が非常に伸び縮みします。このため、施工する季節によって取り付ける方法が変わり、工事難易度が高いです。 また、日本では珍しい外壁素材のため、施工技術を持っている業者はほとんど存在しないのが大きなデメリットです。
樹脂サイディングは、窯業サイディングや金属サイディングに比べて、色やデザインの種類が非常に少ないです。 デザイン性を重視する人、色を細かく指定したい人には樹脂サイディングは適していないと言えるでしょう。
施工難易度が高いため、一般的な窯業サイディングや金属サイディングを施工する場合より手間賃が割高になりやすいでしょう。 手間賃の割高感が材料費の安さを上回るため、最終的には工事総額が他のサイディング素材よりも高くなります。 ただ、メリットにあるように先々のメンテナンスなどを考えると将来的なコストを抑えることが出来る選択ではあるので、大きく損するわけではありません。
樹脂系サイディングの価格相場は、7,000〜10,000円です。他のサイディングよりも価格が高めですが、耐久性も高くメンテナンス頻度も少なく済むので、管理費用を抑えられます。 取り扱っている業者が少ないので、樹脂系サイディングを採用する時は複数の業者に相談しましょう。